摩緒に「体を返せ」と言う猫鬼は首だけの存在だった。
猫鬼の首との戦いの中で摩緒は900年前の戦いを思い出していた。相討ちで死にかけた摩緒に猫鬼はひとつになって生き延びることを提案するが摩緒は拒絶し猫鬼の首を断って気を失う。摩緒が目覚めたときそこに見たものは、自分の爪についた血と多くの死体、そして紗那さまの亡骸。
そして再び大正時代。猫鬼も摩緒も何者かにはめられたと猫鬼は言うが摩緒は耳を貸さない。そして菜花が猫鬼の血を宿してることに猫鬼は気づく。
平安時代に何者かにはめられて戦うことになったことや、摩緒が背中に矢傷を負っていることから、その何者かは猫鬼に摩緒を食わせてより強化しようとしてたのではないかと考えられます。もちろん単に摩緒を亡き者にしようとしてただけの可能性もあります。紗那に恋慕していた貴族か兄弟子あたりでしょうか。
あくまで想像ですが、死にかけていた摩緒はその何者かによって猫鬼の身体部(カマキリの妖ど同様におそらく普通の猫サイズ)を食べさせられた、あるいは術的に融合させられたのではないでしょうか。そして思惑に反して摩緒は暴走し、紗那や武士たちを殺すことになったのではないかと。
ここでその暴走した摩緒はいったい誰なのかという疑問が発生します。さっと思いつくに、摩緒本人であるか、猫鬼の身体に残っていた意識か、あるいはその何者か、といったところでしょうか。この第19話の最後のコマの長髪の者が同一の存在であるように見えるので、この長髪の者がどう行動するかによって判断できるでしょう。この長髪の者は第1話で菜花(小学生)を襲った化け物であるようにも見えます。
怒涛の急展開で忘れそうになりますが、祖父の謎が残ったままです。もし猫鬼が人の寿命を操れるのであれば、たとえば菜花の祖父の寿命も操れることになります。いや、そもそも菜花の祖父とされる人物がずっと昔から存在してた可能性すらありえます。
少年誌向けの気軽に読める怪奇物かと思ってましたが、もしそこまで練り込んでいたのであれば認識を改める必要があります。教祖篇はその伏線の為に存在していたということですから。