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呪泉郷端展示即売会3

 展示即売会を眺めながら様々なことを考えていました。

 1999年10月10日(日)、池袋区民センターの1階ホールにて呪泉郷端展示即売会3が開催された。内容は、同人誌即売会と同人色紙展示&抽選会といったところだ。参加サークル数は直参56サークル、委託9サークル。推定参加者総数は二百人強。十代の女性が6割、二十代の男性が2割。コスプレイヤーは三十人ぐらい。入場料は無料。パンフレットは300円(推定頒布数は110冊ほど)。
 主催者(大林隆志くん)によれば、この展示即売会は主に「らんま」のファンをターゲットにしており必ずしも「ルーミック」のファンを対象としているわけではないとのこと(最近は「犬夜叉」ファンもターゲットにしているようだ)。即売会のデザインもやはり「らんま」に関連づいている。サークルの机が並ぶ大小の通称「島」の名前も「猫飯店」「うっちゃん」「天道道場」「カジノ☆K」となっている。いまや「らんま&犬夜叉」ブロックとなっているコミケの「ルーミック」ブロックがここに再現されていると言ってもいいだろう。偶然なのか、若い女の子サークルの比率が高い。
 会場が狭いこともあり、それなりに繁盛していたと言えるだろう。スタッフの一人(石原市朗くん)が博打王キングに扮し、会場を盛り上げていたのはとても効果的であったように思う。恒例の色紙プレゼントは面白い企画だ。それでも端でみていると、運営上のミスがいくらか目立ったように思う。どうやら役割分担があまりうまくいっていなかったようだ。
 この即売会の主催スタッフさん達とは妙な縁があるように思う。数人と知り合いなわけだが、全て別々のルートでの知己だということだ。全員最初に主催者の大林くんに会ったのは、1995年09月に足立区の産業文化会館で催された『ファンの集い(主催は五十鈴政幸くん)』のときだったと思う。彼が抱えていた問題の相談に乗ることになり、その晩に新井宅でいろいろと話した覚えがある。そのときに彼は「らんま」同人誌即売会を主催したいと言っていた。共同主催者のあらうしかなあ君とはもっと前に別のルートで知り合っていたし、市原一朗君ともまた別のルート、などなど。まぁ、別に大した手伝いなぞ全然しているわけでもないのでどうでもいいことではあるのだが…。ともあれ、先輩としてみんなを暖かく見守っていきたいものだ。

 参加時間の大半を「なぜ十代男性の参加者がほとんどいないのだろう」という思考に費やしていた。二十歳過ぎの参加者の多くは昔ながらのルーミックファンの延長としての「らんま」や「犬夜叉」のファンであり、十代の参加者の多くは「らんま」や「犬夜叉」からのファンがメインであるようだ。そして、十代の参加者の大多数が女性であるということは、「らんま」や「犬夜叉」でリアルタイムにこの道に入った男性が少ないということに他ならない。「らんま」や「犬夜叉」は少女マンガではないかという学説を唱えた自分としては、自分の学説が実証されていることを納得しながらも、今後のルーミックファン全体の動向についていくらかの不安を覚えざるを得ない。

 三十歳近い参加者のほとんどと顔見知りだというのも複雑な気分であった。言い代えれば、そして当たり前のことなのだが、若い参加者は私の名前を知らないようだ。もう孫弟子どころか曾孫弟子の世代だしな。昭和は遠くなりにけり。今更になって出しゃばる気もないし、世代交代が繰り返されることは昔からずっと願っていたことなんで、嬉しいという感情も無いわけではない。それでも、若人には次の世代を育むことだけは忘れないで欲しいです。ルーミックが文化として定着するためにも…。
 ちなみに、今日は高橋留美子の42歳の誕生日である。即売会参加者のほとんどがそれについて言及していなかったことは興味深い。そもそもこの開催日時の選定も誕生日のことをまったく意図していなかったそうである

 大林君は第4回の開催について迷っていると言うが、結局は開催することになるだろう。一刻会系列の人たちが企画している「るみけっと」とは結果的に並存していくことができるかも知れない。

 特筆すべき嬉しかったこと。1996年1月に大阪に遊びにいったときに、たまたま参加したお茶会で会った女の子たちが私を覚えてくれていたのだ。当時は中学生の子たちだったから、今では他に興味を持ってルーミックからは引退してしまっているかもなぁ、と考えていただけにすごく嬉しかったです。サークル「桃源亭」のみんな、これからも応援しているぞ!。