敬称問題 20010408

昨今の『犬夜叉』系チャットにおいては、そのチャットルームのルールにかかわらず、呼び捨てが横行しているのが実態である。特に、上の者が下の者から呼び捨てにされることは、それなりの不愉快さを伴うものであろう。問題となるのはこのケースがほとんどのようだ。

問題解決のためには「住み分け」という方法もあるが、私は世代間交流を推奨している立場なので、別の提案をなそうと思う。

最初に誰でも思い浮かべるであろう対策は、チャットのルールの中に「敬称付け」を明記し、指導を繰り返すことだ。どのような対策を為すにせよ、これは最優先で行うべき必要条件だろう。

もちろん必要条件は十分条件ではない。子供たちの視点ではそのような指導は上からの押し付けに過ぎないのだ。学校で「相手を呼ぶときは必ず敬称をつけましょうね」と先生が指導したところで、どれだけ効果があるものか(しかしこれは必要なことだ!)。「私は子供たちに指導した」という自己満足(免責の意識)を得るにとどまっていては、必ずしも問題は解決しない。

さて、よくよく観察してみると、そもそも敬称を略しているのではなくもともと付けていないようだ。これは、相手を目上の者としてではなく同格の者として認識しているからであると思われる。ネットの匿名性の弊害の一つであろう(苦笑)。

かといって、子供たちに向かって「私は君たちとは格が違うのだよ、格が!」と言うのも大人気ない(笑)。そんな場合には、何らかの間接的な方法(例えば、自分のサイトを紹介したり、オフで会ったりするなど)で自分の実体を子供たちに認識させるのが効果的だろう。きっと、ネットには様々な人がいることを覚えてくれるに違いない(まさに社会勉強!)。

同格同士での敬称付けについても色々と考えた(但し運営者がそれを望む場合)。やはり、上からの押し付け(子供たちの視点)ではなく、子供たちが自ら「敬称付けキャンペーン」するように仕向けるのが最も有効であるように思う。動機付けの為に、例えば「チャット閉鎖という脅迫」も使うこともあるだろう。動機付けの後は「権限と機会」をさりげなく提供することも必要だ。

20010505追記

もちろん、敬称無しをルール化しているチャットで敬称を求めるのは、求める方が間違ってます(きっぱり)。

また、敬称付けをルール化しているチャットで敬称付けされないことに対する不満の中には「自分が敬称付けされてないこと」ではなく「相手がルールを守らないこと」に対するものも少なくありません。

そして、「仲良くなったら敬称無しでいい」というルールには、どのレベルをもって「仲良く」なったかが問題になります。年少者の中には「チャットで話したらもう友達」という人も少なくないようです(苦笑)。

Satoshi ARAI ( arai@luminet.jp )