ハインツの課題

チャットにおける敬称付け問題が相変わらず続いている(苦笑)。というわけで、もし貴方が敬称付けをするならば(あるいは、敬称付けをしないならば)、それはどのような理由に基づくものかを最初に考えてもらいたい。

「ハインツの課題」とはこの理由付けのタイプによってその人のマナーレベル(道徳の発達段階)を推し量る方法である。さて、先ほどの理由付けにはどのようなキーワードが含まれているだろうか?。

賞罰志向レベル
「〜すると得(損)だから」。
欲求充足志向レベル
「〜したいから」。
他者承認志向レベル
「〜しないと叱られるから」。
権威規範志向
「〜するのが義務だから」。
契約志向レベル
「〜するのが合法的だから」。
良心充足志向レベル
「〜しないと良心の呵責を感じるから」。

チャットにおける敬称問題が延々と続くのは、それを気にする人と気にしない人との道徳レベルが異なるからではなかろうか?。例えば、「つけるのが義務(ルール)だから付ける」という人が「呼び捨てしたいから付けない」と考えている人を説得するのは難しいということだ。

この仮説が成立するならば、問題解決のアプローチとしてまず最初にマナーレベルをあわせることが必要となるだろう。もちろん、どのレベルにあわせるかはケースバイケースだし、どうやってマナーレベルを補間するかは別問題である。

問題の変容 追記

何でルールを読まないか?(面倒だから?、ルールの存在意義を理解していないから?、通話時間節約?)。

もし読んだとしても、何でルールに従わないか?(まわりの人も守ってないから?、守るべき理由を理解していないから?、それによって迷惑を被る人が見えない、あるいはその存在を想像できないから?)。

既に敬称問題は「敬称を付ける付けないという問題」から離れ、「子供に対する道徳教育の在り方の問題」に一般化しているように思う。要するに、「注意書きページを設置したか否か」や「どんなルールにするか?」などは終わっているのだ。

その要点は、子供に対する道徳教育は誰が担うべきか?、現実には誰が担っているか?、趣味の世界で出会う年長者はそれを担うべきか否か?、(オンライン及びオフラインにおいて)年長者らはそれを担う具体的方策を持っているか?、などである。

私の意見は、道徳教育は主に保護者が担うべき、しかし実際にはそれが実現されているとは限らない、趣味の世界で出会う年長者は道徳教育を担うべき義務は持たないが担うだけのメリットはある、そして、現在のオンラインにおいては有効策は非常に少ない、ってところだ。

Satoshi ARAI ( arai@luminet.jp )