オタクはなぜ嫌われる? 20011013

21時からNHK教育で「オタクはどうして嫌われるの?」という内容の番組が放映された。予想通り、「オタク」定義があいまいのままゆえの議論であったように思う。

用法A
趣味に集中した人。クリエィティブである。
用法B
趣味にのめり込んだ人。社会常識を弁えない。

創造的であることと社会常識を弁えないこととはそれぞれ独立したファクターであるが、経験則的に互いに排他的な傾向がある。つまり、創造的な人は社会常識を弁えている人が多いし、その対偶も同様だ。

ところで、「オタクはどうして嫌われるの?」というテーマにおいては用法Bが前提となっている。具体的には、「清潔感が足りないこと」や「話題性の偏狭性」が オタク(用法B)嫌われる要因だ。用法A支持者が「オタク(用法B)はオタク(用法A)ではない。それは偏見だ」と主張しているだけでは議論にならないし、用法B支持者がオタク(用法A)とオタク(用法B)との差異を認識しないのも同様である。

だから、このテーマを真剣に議論したいならば、オタクという語句を使用せずに単に「趣味にのめり込んだ人の中には社会常識を弁えない人がいる。それは清潔感欠如や話題性欠如という形で現れることが多い。彼らはなぜ嫌われるのか?」とテーマを設定すればいいだけだ。

議論は「趣味にのめりこむとなぜ社会常識を弁えない傾向になるのか?」と「その傾向は趣味の種類によってどのように異なるものか?」が重要なポイントとなるだろう。

追記

なお、趣味そのものの種類はあくまで補強材料にすぎないと思う。美少女ゲームにはまっている青年が、もしもカッコ良くて実際に恋人もいる好青年だったならば、彼に対する印象はそれほど悪いものにはならないだろうからだ。

さらに追記。「マンガやアニメやゲームの中の美少女キャラに萌えている男の子を気持ち悪いと言う女の子」は「マンガやアニメやゲームの中の美少年キャラに萌えている女の子を気持ち悪いと言う男の子」についてどう思いますか?(笑)

Satoshi ARAI ( arai@luminet.jp )