ノミの妖たちは菜花を追い抜いて教会に向かう。摩緒の術で出現した霊獣・玄武は、罠に捕らわれたノミの妖たちを捕食する。教会跡に埋まっていた要石はびくともしない。翌朝、透けていたはずの五行地区は実体化していた。菜花は「街が元に戻った」と認識する。季節は初夏。
顎(あぎと)とは顎(あご)の別称ですが、実生活で使用されることはほぼありません。むしろキャラクターの名前で用いられることが多いように思います。もっとも有名なのは、仮面ライダーアギトでしょう。ちなみにギルスは鰓(えら)という意味。
なお、玄武の体長は40m以上と推定されます。
作中では明らかになっていませんが、摩緒にも苗字があると考えられます。少なくとも江戸時代には苗字帯刀令があってので、摩緒はなんらかの苗字を名乗っていたはずです。以前にも予想したことですが、摩緒の苗字は「黒(玄・涅)」や「水」に関連したものだと改めて予想します。昔から存在したと考えられている苗字のリストや陰陽師のリストから探すに「黒谷」や「水無瀬」や「北条」あたりでしょうか。
第13話「要石」では要石があった場所の注連縄(結界)が切れて要石のある場所に教会が現れましたが、第16話によればその教会は実在のものではありませんでした。描写だけ見れば「要石は猫鬼を地下に封じていたものであり、注連縄の結界が破れたことで猫鬼による術(教会やノミの妖など)が地上に漏れて顕在化した」と考えられます。
この要石は関東大震災のときまで壊されずに残るでしょう。
一方で、五行街が実在化した理由は「注連縄の結界が敗れたから」ではなく「要石が傷ついたから」でもなく「猫鬼が掛けた術が(教会が消えるのと同時に)解けたから」と考えるしかなさそうです。根拠はありませんが、「街が元に戻った」は必ずしも正確な認識ではないように感じます。