凌雲閣に向かった摩緒たちは火の首使いの百火に襲われる。互いに旧知だと分かると百火は摩緒に対して「裏切り者」「おまえのせいで」と激高するが摩緒には心当たりがない。後継者の証であり不吉の刀でもある破軍星の太刀を授かったときのことを摩緒は思い出す。破軍星の太刀を摩緒から奪い取った百火は太刀から滲み出る毒によって吐血し倒れる。
看板に「百美人」という文字が見えます。この美人コンテストが催されたのは1891年(明治24年)夏です。登場人物の服装が冬のものなので、乙弥が帝都に初めて訪れたのは1891年(明治24年)春だと考えられます。浅草は帝都の北側に位置するのでそれまで彼らは北の地方にいたと思われます。
凌雲閣の前に埋められてた蠱物を見つけた摩緒たちに火の首たちが襲い掛かります。このとき百火は来訪者が摩緒だと気が付いてません。つまり、「やっぱり殺しに来やがったな!」「誰が来ようと返り討ちだ」の台詞は、百火の命を狙っているものが他にいるということを表してます。
話ぶりから百火は摩緒の兄弟子であると思われます(最終頁のハシラにもそれらしいことが書かれてます)。「…なんか見た目が変わっちまってるけど」の台詞から、百火が摩緒に最後に会ったのは平安時代ということになります。摩緒と猫鬼が戦った日には既に破門されたのでしょうか。「裏切り者の摩緒かあっ!」「おまえのせいでおれたちは…」と言ってるので、他にも仲間がいたのでしょう。もしかしたら摩緒と猫鬼を嵌めたグループと関係あるのかも知れません。