自力で生き返った百火は摩緒たちに、破軍星の太刀を受け継かされた摩緒は生贄であること、五色堂で師匠が本来の後継者候補たちに摩緒を呪い殺すように命じたこと、師匠もまたそのようにして後継者となったことなどを話す。
井戸用の共柄ポンプは上水道が普及した現在でも田舎に行けば見かけることがあります。首都圏でも平成初期まで見かけたおぼえがあります。仕組みはとてもシンプルですが理にかなった構造です。どういうわけか、みんな深緑色のものばかりでした。
師匠は「平安(いま)のこの世」と言ってるので、御降家の秘伝は古代からの呪禁(じゅごん)の流れを組むものと考えられます。律令制の時代には呪禁に関する職制が存在しましたが、奈良時代末期には完全に衰退しました。衰退の原因として厭魅や蠱毒に関わる事件があったらしいです(調査中)。それらの事件がこの作品のモチーフになったのかも知れません。
ちなみに、御降は「おさがり」とも読み、その意味は元日に雨や雪が降ることです。
「呪いなど好きではなかった」と言ってる摩緒が、禁じられた呪術を伝える御降家に弟子入りした理由は現時点で不明です。なんらかの先天的な理由(例えば生贄として適していたなど)があったのだろうと想像します。
百火は「おれと…何人かの兄弟子が」と言ってますが、百火の回想において師匠は「ここに呼ばれた五人の中で」と言ってます。つまり、他の4人がすべて兄弟子であるとは限らないと百火は知ってます(もし百火や摩緒に弟弟子がいたなら単に「何人かの弟子」と言うでしょう)。
現段階では仮説にすぎませんが、紗那も後継者候補のひとりだった可能性があります(屋敷において弟子以外の後継者候補は他にいないようですし)。もしあの小さな猫(第24話)が既に強力な猫鬼だったなら、主人である紗那が継ぐべき秘伝書を猫鬼が食べてしまう理由はありません。猫鬼は「紗那が摩緒に殺された」のように騙されたので秘伝書を食べ摩緒と戦ったのではないかと考えられます(猫鬼を騙した者も秘伝書が食べられてしまうのは誤算だったかと)。摩緒の背中の矢傷は陰陽師によるものではなく屋敷の護衛兵によるものだろうので、紗那の配下も騙されてたのかも知れません。
第24話での百火の台詞「裏切り者の摩緒かぁ!」「おまえのせいでおれたちは…」から考えると、もともと百火たちは摩緒と協力関係にあったにもかかわらず猫鬼(体)と融合した摩緒に殺されたということでしょうか。この協力関係に紗那が含まれていたか否かは分かりません。いずれの可能性も十分にありえます。