茨木邸の温室跡に運び込んだ貂子を茨木種彦は襲うが、貂子は妖に化身し種彦に噛みつく。朽縄が現れ貂子を退治するところに使い魔に導かれた摩緒たちが駆けつける。摩緒は朽縄に似ている男を知ってると言うが朽縄は否定する。
うん、きっとそうだと思ってました。
あまり知られていませんが、貂は狐や狸と同様に変化能力を持つとされてます(テンの属性は火なのですが、テンが属するイタチ科の妖は風の属性が多いです)。この作品では人間に化ける妖は一般的です。いうなれば「この世界に妖が密かに暮らしていることはあまり知られていない。これは、そんな世界で出会った人間たちの奇跡の物語である」「摩緒と猫とでバディGO!」です。
朽縄の沈黙を見るに、朽縄は摩緒の顔に見覚えがあるようです(このシーンで摩緒の名前はまだ出ていません)。朽縄が否定したのは、自分の素性などが種彦にばれると何か都合が悪いからでしょうか。あるいは単に利害関係のない男の顔は本当に憶えてないだけかも知れません。まあ昔のことですし。
なお、女の妖に知り合いはいる模様。
もともと道道の呪字であった九字には様々なバージョンがあります。「青龍・白虎・朱雀・玄武・勾陳・帝台・文王・三台・玉女」は陰陽道のものですので、朽縄も陰陽道の関係者であると分かります。
乙弥の「厳密に言うと違う」にちょっとひっかかりました。朽縄が菜花を指して「そっちのお嬢ちゃんも妖だろう」と断じた台詞は、第1話で摩緒が菜花を指して「おまえ妖だろう」と断じた台詞と重なります。つまり、「厳密に言うと、菜花は妖とは違う」ではなく「厳密に言うと、菜花が妖だとわかるとは違う」ということです。
あくまで仮説ですが、摩緒の左目と朽縄の右目は「妖が見える(妖種までは分からない)」なのかも知れません。百火はまったく分かってなかったようですし。
植物系が使う武器はたいてい農具か斧ですが、朽縄も例外ではなく得物は大鎌(scythe)です。ただ、大鎌はその見た目のインパクトに反して武器としてはとても使いにくかったりします。重量バランスが偏っている上に、引き切る為には相手を武器で攫う距離まで近づかなければなりません。つまりリーチがとても短いのです。
篇の導入部なのでそれほど話は進展してません。怪奇浪漫らしいおどろおどろしい展開を期待します。