呪禁道の最高奥義「泰山府君の秘法」を目的にしてるであろう者を、震災前に猫鬼が潜んでいた大穴に誘い出すことにした。菜花を守ろうとしない摩緒の態度に傷心の菜花だが、摩緒の思惑は菜花が自分で身を守れるようににすることだった。やがて大穴にやってきたのは、鯨のように巨大な男だった。摩緒はその男を「あれ」と呼び、百火はその男に見覚えがない。
扉絵に描かれた各キャラの背景にも何らかの意味が込められていると思います。菜花の背景はやはり菜の花でしょうか。ならば、他の3人の背景にはどんな意味があるのでしょう。
猫鬼ボディが摩緒に融合してからの猫鬼ヘッドの行方は定かではありません。摩緒はその直後に出奔したようですし、猫鬼ヘッドがなんらかの秘宝を用いてたとしてもおかしくありません。例えば紗那を反魂で蘇らせ更に彼女の寿命を操るとか。
焔摩天の配下の一人である太山府君(=東嶽大帝)が、泰山信仰と結びついて「泰山府君」とも書かれるようになり、やがて陰陽道の主祭神となった。これにより呪禁道のルーツはやはり中国であると考えられます。
陰陽道の最高奥義「泰山府君の祭」は安倍晴明も使ったとされてます。
この巨大な男を百火は知らず摩緒は「あれ」と呼んでいるので、この男は兄弟子ではないのでしょう。恐らくは鯨の式神(水属性)あたりでしょうか。式神の主は何らかの理由で西国を離れられないのではないかと推察します。お役目があるのか幽閉されているのか醜くなっているのか。要石から解放された猫鬼(隠れていたのか封じられてたのかは分かりませんが…)が関東大震災までの間に会いにいってたかも知れません。
摩緒の属性について連載初期は「水っぽい」と考えてましたが、最近は「金っぽい(つまり苗字に白)」と考えてます(だからといって、「金」系統の術しか使えないわけでもありませんが)。
五行思想の「五虫」においては、木火土金水それぞれが鱗(魚と爬虫類)・羽(鳥)・裸(人)・毛(獣)・介(亀・甲殻・貝)に対応します。百火が羽虫を用いるのも、この話における亀や蛙も五虫の考え方に基づきます。摩緒が「金」っぽいという理由は、猫鬼の身体と融合してる摩緒は獣に変化すること(菜花は頭だけ猫に?)と、摩緒の名は中国語でいう猫(マオ)に通じることです。また、重要アイテムである「破軍星の太刀」は刃物でありこれは「金」であることも理由です。
もちろん、属性持ちが1人ずつとは限りません。式神である乙弥や魚住さんの例があるので、摩緒の属性が「土」であるという可能性もまだ否定できません。もしも「菜花の祖父が摩緒である説」が正しいなら「土」である可能性も十分にありえます。