藻久不の体内の捕らわれた摩緒は、藻久不の背後にいる何者かについて考える。猫鬼の力と破軍星の太刀を使って摩緒は体内から逃れる。溺死した百火は息を吹き返す。藻久不の主について摩緒は藻久不に尋ねるが、もともと死んでいた藻久不は亡骸と化す。
傍点のついた台詞はしばしばミスリードを誘ってます。藻久不のいう「他のかた」が必ずしも他の兄弟子たちであるとは限りません(後継者候補に紗那がいて彼女が生きている可能性もあります)。はたして藻久不の主はそのことを知ってて「ついでに」と命令したのか否か。考察の分岐点です。
百火の「おれたち」にも傍点が付いてます。これで灰丸を猫鬼にした目的を聞きそびれてしまいました。たぶん、百火のことは本当に「ついで」なのだろうと思います(つまり兄弟子たちから後継者候補として認識されてない?)。
ただの猫が蟲毒の穴に落とされてもすぐに喰われてしまうでしょう。灰丸が生き残ったということは、もともと灰丸はただの猫ではなく紗那あるいは師匠によって相応に鍛えられていたと考えられます。
藻久不の主もわざわざ手間をかけてただの猫を餌にする理由はないだろうので、藻久不の主は獣を操る術(金属性)て灰丸を自分の手駒にしようとしたか、あるいはただの猫ではない灰丸を何かの餌にしようとして失敗したのでしょう。灰丸が秘伝書を食べてしまったのも誤算だったようですし。
今回の話のサブタイトルは「蟲毒の穴」ですが、蟲毒についてそれほど多くは描写されておりません。最終頁のハシラに「次号、新展開」とありますので、次号から平安時代の「蟲毒の穴」篇が始まるだろうと予想しています。