朝六時頃に日本青年館に到着すると、徹夜組が三十人ほどいた。私は、大ホール階段の最上段にいたグループに加えてもらった。そのグループは、全国巡りをする人たちが集まったもので、行列整理なども自主的に行っており、《ツアースタッフ》と呼ばれている。
公演は南翔子さんの「殿方ごめん遊ばせ」で幕を開けた。次いで「トライアングルラブレター」及び「ドリームフォーエバー」の発表&表彰と続いた。そのまま松下丸子さんと瀬戸口さゆりさんは司会進行役となる。続いて、ラムさんコンテストが行われた。それほど盛り上がりはしなかったが、何にせよファンが参加できることは望ましい。賞品はCDプレイヤーであった。さらに、イベントの為のオリジナルビデオの第一号とも言える「了子の9月のお茶会」が上映された。「黒子A、行きます!」のセリフが妙に頭から離れない。どの公演かまでは覚えていないが、上映開始数分後に会場のブザーが鳴り響き少し興ざめした。
上映後、十分間の休憩となる。日本青年館の物販ロビーは大混雑であった。なお、初めてペンライトが販売された。
うる星ソングベストテン発表をメインにプログラムは進行する。ゲストのみなさんはいつもながらカラフルな衣装であった。第十位の「星空サイクリング」を松谷祐子さんが歌う。第一回公演では昼間から「こんばんわ!」と間違えてくれた。同点十位の「パジャマじゃまだ」を成清加奈子さんが歌うと、下手側から《成清親衛隊》が笛を吹き鳴らして応援する。
第九位の「ボーントゥビーフリー」をステファニーさんが歌う。上手側から《ツアースタッフ》がコールを掛ける。「みなさんも英語、勉強して下さいね」には満場が苦笑した。そして、ビデオ「ハイダウェイ」が上映される。残念なことに、第二回公演ではここでステファニーさんがお帰りになった。
平野さんが、第八位の「ロックザプラネット」、第七位の「チャンスオンラブ」、番外の「恋にダンスダンスダンス」の三曲を歌う。平野文さんは名前入りの虎縞エレキを担いでいる。「昇天してしまいそうです」の迷セリフがここで紹介される。二階席最前列からは《平野文FC》が幕を垂らして応援していた。
第五位の「グッドラック」を南さんが歌った(第六位の「ダンシングスター」はパスされた)。第四位の「宇宙は大ヘンだ」では会場が一体となって盛り上がる。そして、難問奇問連続のうる星クイズ大会となる。「『旅の雪だるま情話』のシナリオには五才の少女と八十才の老婆が登場する」など。クイズ大会の後には、映画パート4の製作状況が実写で速報された。平野さんが「どの方が一番最初に映し出されるかを想像しながら見てて下さい」と言うので、画面を食い入るように見ていたら、いきなり落合茂一プロデューサーのドアップが…。
ビデオの後には第三位の「殿方ごめん遊ばせ」を南さんが熱唱する。第二位は「愛はブーメラン」であった。松谷さんも熱唱する。会場の拍手はどんどん大きくなってきている。グランプリは「ラムのラブソング」。会場が一体となって沸き上がる。
アンコールの声が吹き荒れると、「ドリームフォーエバー」で応えてくれた。ファンが総立ちとなり、ステージまで詰め寄るほど盛り上がり、ついには再アンコールまで行われ、平野さんをして「アンコールのアンコールなんて感激だっちゃ」とまで言わしめた。「ラムのラブソング」の大合唱で公演は締めくくられた。平野さんたちの目に光るものが流れていた。
知り合った仲間たちとの再会の約束を胸に抱いて、私は日本青年館を後にした。