ここで、『うる星やつら(という作品)』を【うる星】と表記します。
かって、「アニメ版は【うる星】ではない。【うる星】とは高橋留美子先生の原作だけを言うのだ」とか「ビューティフルドリーマーは【うる星】ではない」とか「同人作品は【うる星】に含めるべきではない」とか「全てが【うる星】だ!」とか叫ぶファンがいたものだ。
私個人の定義では、高橋留美子の著作物である『うる星やつら』と正当な法的権利に基づいたその二次的著作物といったところだ。具体的には、原作もアニメも含みキャラグッズまでをも含んでいるが、同人作品などは含んでいない。もちろん私の場合といえども、同人作品などを【うる星】からの派生物(ファン活動の成果物)として読んで楽しんでいることはいうまでもない。
【うる星】の概念は、そのファンの所属する環境によって多様なものでありえる。しかし、そのコモンセンス(一般的な共通感覚)を見出すことは十分に可能だろう。その為には、多くのファンが「自分の定義しているところの【うる星】とは具体的に何なのか?」を互いに表明することが重要だ。そこから、コモンセンスとしての「【うる星】とは何か?」が形成される。もちろん、『うる星』終了から長い時が経っており、結論も容易に予想できる話題であることは否定しない。それでも、世の中にはさまざまな考え方があるということを認識するだけでもコモンセンス形成プロセスの価値は大きい。
読者諸君に問おう、『うる星やつら』とは何ですか?