コスプレ(コスチュームプレイ)とは、作品中の登場人物を模倣(ミミックリー)する遊びの一種であり、主な手段として登場人物の扮装を行うものである。
昔から「祭りなどでない場でコスプレすべきではない」や「一般人(非ファン)の前でコスプレすべきではない」と言われていたものだ。その理由は「コスプレの格好は法に触れる」「ハレの日でもないケの日まで遊んでいてはいけない」「作品への冒涜であるから止めろ」「一般人の目の触れる場所でコスプレすることは作品ファン全体の社会的評価を下げるので止めて欲しい」などにあろう。
確かに、アニメやマンガなどの作品内の扮装は一般社会の扮装からあまりにも懸け離れているものが多い。ラムちゃんのトラジマビキニは明らかに一般の路上などで着られる服とは懸け離れすぎている上、状況によっては法に抵触することもありえるだろう。(コスプレできるほどの大人が)普段から「ごっこ遊び」ばかりして為すべきことを怠っていれば周囲は心配するかも知れない。男性によるボンレスラムについては確かに私も不快に感じることがある。そして、昔のようにアニメマンガ系のハレの祭りが一般社会の目に触れることがなかった時代には、そのような人たちばかりが社会の目に触れることはファンとして困ることがあったに違いない。
ところで、日常生活においてたまたま作品中に描写された格好と同じ扮装がなされることがある。これは作品世界が現代社会をモデルにしている場合にしばしば見られる現象である。例えば、私は機能的という理由で鹿狩帽やインバネスコートを愛用しているが、決して何かの模倣する遊びとして着用しているわけではない。にも関わらず「あの人、ホームズのコスプレしてる〜」と言われるのは、いささか筋違いであるように思える(まぁ別に悪い気はしないが…)。アニマル柄が流行っている時代にお洒落なおねーさんがプールサイドで虎縞模様のビキニ水着を着用していたとして、「ラムちゃんのコスプレしてる〜」と言われると彼女は戸惑うかも知れない(笑)。このような事例は、日本人のファッショナブル化が進むにつれてしばしば見られるようになってきたし、今後も増えることだろう。
また、その扮装の目的が遊び着であるか普段着であるかに関わらず、周囲に迷惑を掛けなければ…当然として法律を守ることも含まれるし為すべきことを怠ってもいけない!…誰がどのような扮装をなそうとその人の自由である。それを「止めろ」という権利は他の誰にもあるまい。
作品への冒涜を目的としているか否かは基本的に当人しか知り得ない。もちろん周囲がそのように感じることは少なからず有り得るだろうし、その扮装を不快に思うも思わないも周囲の自由である。しかしながら、その扮装を禁止する権限は一般の同好ファンには無い。もちろん、扮装している当人に自分の意見を通知することはできるだろう。また、その場の管理者などは禁止権を持っているだろうから、そのような人たちに訴えることもできる。権限者は自分が管理する場の論理で(これは、ファンの論理とは異なるものである)判断することだろう。