いわゆる留ネタについて。
ファン活動の一種に、作品知識が深い者同士での交流において、作品に関する知識を織り交ぜて悦にいることがある。当意の妙ということで、リアルタイムコミュニケーションにおいてしばしばみられ、特にチャットなどインタラクティヴな文字会話において顕著な現象である。この行為を「留ネタ」と呼ぶことにする。
作品知識の深い者同士の会話においては、重箱の隅をつつく深度の留ネタがみられることも珍しくない。世の中には作品中の台詞の多くを暗記してしまっているディープなファンも存在するのだ。ちなみに、私もその一人らしい(笑)。
深度という観点において初級者が上級者を目指すためには、作品知識の習得は必修科目である。別に作品知識が深いからといって社会的には偉いわけでもなんでもないのだが、留ネタで楽しむ上では非常に重要なことだ。
基本的な習得方法は、作品に数多く触れることである。一つの話につき1週間かけて触れていればかなり深くまで習得できるだろう。原作にせよアニメにせよリアルタイム(週刊)で作品に触れていた者がより深い知識を持っているのはこのような理由によるのだ。もちろんいわゆる暗記術のようなものも習得の効率化には有効である。たとえば、何年間も継続して、就寝時にアニメの録音テープ(現在ではMDか)をエンドレスで流していればほとんどの台詞を暗記することができるだろう。もっとも、この方式にはデメリットもある。それは、他の勉強(英会話など)をする貴重な時間を費やしてしまうことだ(笑)。
また、留ネタの使用と理解のために、連想能力や検索能力なども重要である。これはチャットなどの実戦によって鍛えることもできるが、生活の中にルーミックを取り入れることで(冥府魔道に陥るとも言うが…)鍛えることもできる。
最後にもう一つ。留ネタをチャットで使用するために、キーボード打込速度も鍛えておくといいだろう!(笑)。
もし場のコモンセンスが全参加者に共通な会話たるべきであるならば、使用される留ネタの深度は、会話に参加している者たちの深度のうちもっとも浅いものに合わせなくてはならない。あまりにもディープな留ネタは、初級者にとって非ルーミックなものと区別が付かないからである。逆に、初級者ばかりの場では有段者はストレスが溜まるだろう(笑)。これは、さまざまなコモンセンスのある「場」が必要だと私が主張する理由の一つである。初級者に優しい場も必要だし、有段者に応えることのできる場も必要なのだ。