ある創作物に触発されて新たな創作が行われることはしばしば見られる現象だ。ここで、相対的に元となる作品を「n次創作物」と呼び、相対的に派生した創作物を「n+1次創作物」と呼ぶことにする。さらに、「n次創作物」としてマンガやアニメ(以下「原作」と表記)を想定し、「n+1次創作物」としてファンフィクション(以下「FF」と表記)を想定する。
ファンは原作を閲覧する。それは基本的に、原作が提供する愉しさを享受することを目的とする。
ファンは、原作の著作者らに感想などを送ることがある。また、原作に関する情報や感想をもって他のファンと交流することもある。これらの行動は、享受する愉しさを増大させる目的を持つ。
ファンは原作から与えられるものだけでは満足しないことがある。そこで、ファン自身が原作の拡張や改変などの想像を行うことがある。
FFには、原作の設定を用いたものと独自の設定を用いたものとに大別することができる。その実際例の傾向から、前者を「補完タイプ」と呼び、後者を「妄想タイプ」と呼ぶことにする。補完タイプは完成度の低いものに対する不満から行われることが多く、それらのほとんどは男性ファンによるものであるようだ。また、妄想タイプには恋愛あるいは性的なものが多く、それらのほとんどは女性ファンによるものであるようだ。
ファンはFFを具現化し公開することがある。具現化の形式は、小説やマンガがほとんどだ。その公開の対象は自分自身であることもあるし、他人であることもある。他人に対して公開されるFFは、同人誌や雑誌投稿やWWWサイトなどで閲覧することができるだろう。
ファンは自分あるいは他人が著したFFを閲覧することができる。それは基本的に、FFが提供する愉しさを享受することを目的とする。
また、「n+2次創作物」のリソースとして既存のFFを利用することもできるだろう。この場合のほとんどは「補完タイプ」である。なぜならば、もしそれが「妄想タイプ」ならばそれは原作に対して行われることが多いからだ。
FFは交流の為の道具ともなりえる。