まだ最終回を知らないリアルタイム世代のファンの特権のひとつが、作品の展開を予想して楽しむことである。そこで、『犬夜叉』の最終回までの展開について、ちょっと空想をめぐらしてみた。
基本的なエンディングパターンには、「ネバーエンディング」、「ハッピーエンディング」、「アンハッピーエンディング」、「その他のエンディング」とがある。「ネバーエンディング」は『うる星』や『らんま』など一話完結的な作品で採用されている。しかし『犬夜叉』はストーリー性が高い作品であるので「ネバーエンディング」は採らないと思われる。「ハッピーエンディング」は『めぞん』などで採用されている。このエンディングの可能性はもっとも高い。犬夜叉とかごめとが結ばれて幸せになるというものだ。もちろん、結ばれると言っても、かごめの年齢設定を考慮すると「結婚する」とかではなく「ずっと一緒にいようね」となるだろう。「アンハッピーエンディング」は、『犬夜叉』の想定読者層を考慮すると採用されるとは思えない。「その他のエンディング」は、たとえば夢落ちなどだが、これも可能性が無いわけではない。
私は、いくつかのパターンを予想しているが、もっとも可能性が高そうなものとして「(戦国時代で)犬夜叉とかごめとが結ばれる」を想定している。
このハッピーエンディングのためには、彼らの幸福を妨害する要因は除去されていなければならない。主な要因としては、「北条君」「奈落」、「殺生丸」、及び「桔梗」がある。
要因「北条君」は、戦国時代におけるエンディングということで結果的に無視することができる。同時に、「現代におけるかごめの生活」という問題も無視することができるだろう。日暮かごめの家族らがどのような対応をするのか個人的に非常に興味があるが、それは巧妙にも描写されないかも知れない。
要因「奈落」は、主人公らの協力によって倒されるべきものであり、実際にそうなるであろう。展開に絡む要素として、四魂の玉、桔梗への想い、神楽の背反、などが考えられる。演出の都合により、桔梗ではなく犬夜叉たちが奈落にとどめを刺すことになるだろう。
要因「殺生丸」は、犬夜叉らに倒されるのではなく、単に無害化することになるだろう。闘鬼神を入手した殺生丸は鉄砕牙への興味を失っているので、もし殺生丸が犬夜叉の存在価値を認めれば無害化するに違いない。その為に、犬夜叉が妖怪として一人前であると殺生丸が認めること(これは妖怪犬夜叉が奈落を倒すなどの実績が適当だろう)、そして、人間の存在価値を殺生丸が認識すること(りんの存在がその要素となる?)が必要だ。なお、天生牙の存在意義を考えるに、犬夜叉かかごめのいずれかが途中で死亡するかもしれない(もちろん生き返る)。
要因「桔梗」は、かごめと融合させるか、奈落との戦闘によって除去させるのがセオリーと思われる。ファンが納得しそうな退場方法としては、犬夜叉を庇っての死亡か黄金パターンだ。
それじゃ、これらをもとに展開を構成してみよう。
奈落は遂に完全な四魂の玉を入手する(つまり、鋼牙はかけらを奪われる)。奈落は完全な妖怪となり、桔梗を倒しにいく。何らかの理由(犬夜叉らの余計な介入によりなど)で、桔梗は奈落を倒すことができず、返り討ちにあう。この際にかごめも死亡する。犬夜叉は殺生丸のもとを訪れ、桔梗でなくかごめを生き返らせることを頼む。「犬夜叉が一人前の妖怪となったならば」という条件が殺生丸から出される(闘鬼神との戦闘があるだろう)。妖怪化した犬夜叉は暴走する(その犠牲者として何者かの乱入があるかも?)。生き返らされたかごめ(しかも、桔梗の魂が融合しパワーアップ済)がなんとかそれを収める。そして最終バトル。犬夜叉らは苦戦するが、奈落を裏切った神楽の協力でなんとか奈落を倒す。
余談だが、いつの間にか珊瑚に弥勒の子供が宿ってたりして…(おぃ。