四魂の玉とは、『犬夜叉』(著・高橋留美子)における最も重要なアイテムである。四魂の玉がユニーク(唯一)のものであると仮定して話をすすめよう。
まだ貴族が世の中を治めていた頃、巨大で邪悪な魂が巫女たる翠子の魂に取り込まれ、それが塊(かたまり)となった。それが四魂の玉である。その形状は、マウスボール程度の大きさの球体である。色や透明度などは状態によって変化する。
その後、作品舞台たる戦国時代になるまで何百年の間、四魂の玉はいろんな妖怪や人間の手を転々とし、珊瑚の祖父の代に退治屋の里に戻ってきた。四魂の玉は桔梗の手に委ねられたが、桔梗と共に燃やされた。
やがて、四魂の玉は日暮かごめの体内に出現した。その四魂の玉は、数十の破片となって戦国時代に散らばった。その散らばった四魂のかけらは登場人物らの手によってそのほとんどが回収されている。
四魂のかけらには元の形状へと結合する性質がある。しかし、直径の縮んだ球にはならないことから、四魂の玉が再び完全になるには構成成分たる魂に過不足があってはならないようだ。
ところで、2巻7話「人を喰う能面」によれば、戦国時代に散らばった四魂のかけらの一つが現代まで継続して存続している。単純に考えれば、四魂のかけらのすべては集まらなかったのか、四魂のかけらのすべてが集まったが何らかの理由により再び飛び散った、ということなのだろう。
四魂の玉が消滅する条件については作品中でも触れられている。しかしながら、もし消滅したならば、現代までかけらが残るというわけにはならない。
もし作品中で四魂の玉が消滅したならば、矛盾点を解消するためにいささかややこしい時系列を組み立てなければならない。その場合、桔梗の手に渡る前の玉か、かごめの体内に現れる前の玉か、あるいは未来に出現するであろう玉などについて考える必要がある。