「へっへっへ、いいものがありまっせ。互いに身分を明かすことなく、不特定の相手とアニメの設定でラブラブとかあんなことやこんなことやいろんなことが演れますよ」と書くと、まるでテレクラやイメクラのような印象があるが、これはいわゆるキャラチャットのことである(笑)。キャラチャットにおいては参加者は作品内の登場人物名をハンドルとして用いることになっている。
キャラチャットでは、常用のハンドルをさらすことがなく、使用キャラクターになりきった言動によるコミュニケーションを楽しむことができる。これらの特性により、ごっこ遊びはエスカレートする傾向がある(もちろん、周囲に迷惑を掛けない限り悪いことでも何でもない)。
ところで、「RPG」は「ごっこ遊び」の発展の一形態であり、より高度な面白さを参加者に提供できるものである。それらの最大の差違はシナリオの有無にあると考えられる。シナリオが存在する為には、プレーヤーとは別にシナリオを管理するマスターの存在が必要である。TRPGの業界では実際に、チャットによるプレイングが実現されている。
たとえば、「キャラは『うる星』限定。今日のシチュエーションは、初秋の夕方。友引高校の放課後の校庭です」とか「キャラは『らんま』限定。今日のシチュエーションは、風林館高校の水泳大会です」というようなメッセージが自動生成されるだけでも、キャラチャットはより面白くなる可能性があるだろう。
複数のチャットルームを「教室」「校庭」「商店街」「諸星家」などと設定し相互リンクしてチャットルーム間の移動を可能にするのも一興だ。
使用キャラクターをあらかじめ与えられたリストから選択させるようにすれば、各キャラクターごとにステータスの設定(ヒットポイント、所持金、空腹度、戦闘力など)や特殊コマンドが使用できるようになるかも知れない。
更に発展させるならば、プログラムによるシチュエーション自動設定だけでは難しくなる。やはりゲームマスター役を担う参加者の存在が必要になるだろう。こうなると、むしろチャットを発展させるよりも会話機能付きのネットゲームを改造した方が早いかもしれない。