プライバシー保護の向きについて考える。まず状況を想定しよう。
ある人のオフライン局所社会A(家庭や学校など)における振る舞いモードをaと表記する。同様に、オフライン局所社会B(趣味の社会)における振る舞いモードをbと表記する。さらに、オンライン局所社会Cにおける振る舞いモードをcと表記し、オンライン局所社会Dにおける振る舞いモードをdと表記する。
ネットワークが普及する以前はAとBとだけを考えれば済んだ話だ。つまり「家庭や学校における個人情報を趣味でつきあっている人たちに知られないようにすること」と「趣味の世界での個人情報を家庭や学校の人たちに知れらないようにすること」とを考えればいい。
AとCとの場合は「オフラインの個人情報をオンラインの人たちに知られないようにすること」と「オンラインの個人情報をオフラインの人たちに知られないようにすること」とになる。
それでは、CとDとではどうだろうか?。例えば、ジャンルに応じて複数のハンドルネームを使い分けている人がジャンルCやジャンルDにおいて「c=d」であると知られることである。
いずれの例でも分かるように、保護すべきプライバシーは振る舞いのモードの数だけ存在する。