昨今のコンピューターゲームは、大容量・高速化によって開発が非常に容易なものとなっている。かつてのように、遅いCPU、少ないメモリなどの制限が少なく無くなってクリエーターのやりたいことが容易に実現できるようになった。
しかし、このことは別の側面も持つ。それを端的に表現するならば絞込み不足である。
内容で言うならば、表現したいことの重点部がぼやけてしまい、そのゲームの面白さがぼやけてしまうのだ。また、余計な高機能化は操作を複雑にしてしまう(プレイアビリティの低下)。
また、高速なアルゴリズムや堅牢なアルゴリズムではなく、冗長なアルゴリズムを記述したとしても、処理能力の高速化ゆえに実用レベルで稼動してしまうのだ。10000分の1秒で済むところを100分の1秒も掛かってしまうようなタコなアルゴリズムでも実用になってしまうのだ。
この話は、何もコンピューターソフトに限ったことではない。例えば、印刷費用の低下は、同人誌の内容の絞込みをおろそかにさせていないか?。ブロードバンドの普及やPCの進化は、冗長なHTMLでも瞬時に表示してしまい、絞込みをおろそかにさせていないか?
技術の進化は必ずしも内容の進化にはつながらない。