今回も、交流用コンテンツのお話です。特定のサイトの話ではなく、あくまで一般論ということで述べています。
さて、テーマが定められている掲示板が、脱線や私信など雑談だらけになることがある。事実上、その雑談メンバーらに占領されている状態だ。運営者がその状態を許容しているサイトなら(場合によっては一緒に雑談してさえいる!)それでいいかも知れないが、たいていはそうではないだろう。
手遅れにならないうちに対処しなければ、本来のテーマについて語ろうとする人はその掲示板から離れていってしまう(掲示板の場合、他のサイトでもなんでも移住先はたくさんあるのだ)。
この居座り問題は主にリニアな掲示板に見られる。逆に、スレッド式の掲示板ではあまり見られない。これは、話題の限定性の差異による。
かと言って、利用者が少ないうちにスレッド掲示板を採用するとどのスレッドも共倒れになってしまう。そもそも居座り問題は利用者が多くないと発生しないのだ。
利用者の少ないうちはリニアな掲示板を採用し、利用者が多くなってきたらテーマを決めた話題の為のスレッド式の掲示板とフリーな話題の為のリニアな掲示板(隔離場所とも言う)とを併用するのが賢明だ。
問題が発生した場合の対処のアプローチは基本的に3種類ある。掲示板はML(メーリングリスト)の場合と異なり、利用者には他に移住先がたくさんある。その為、対処方法にも幅があるのだ。
雑談メンバーが居座らないうちに雑談ができる場所へ誘導するのが良い。本来のテーマで交流しようとする人たちはまだ離れていないので、本来のテーマでの交流は再開される。
その雑談メンバーに対してテーマについて話すよう誘導するのも効果的であるが、場の雰囲気を悪くしてしまうというデメリットがあり他の場所へ誘導よりも劣る。なお、「ここで雑談しないでね」は他の場所へ誘導の一種であることを特に付記しておく。
もちろん、放置すれば手遅れになる。誘導もなしに単に掲示板を変更するのは(スレッド式にするのでない限り)同じ問題を繰り返すだけだ。
既に雑談メンバーが居座ってしまった場合は雑談ができる場所へ誘導したところで、活性を失った掲示板(又はスレッド)が本来のテーマで活気を取り戻すのは、新規掲示板が活性を得るよりも難しい。なぜならば、その掲示板は多くの人から見捨てられてしまっているからだ。ついでに、この対処方法は、居座ってしまった雑談メンバーからの反感も買う可能性が高い。
難しいかも知れないが、居座ってしまった人たちをテーマについて話すよう誘導するほうがまだマシだ。情けない話だが、誘導で苦労するよりも運営者が本来のテーマでその場を埋めていった方が楽でさえあるかも知れない。
もちろん、放置しておけば、雑談メンバーらによる居座りは継続される。時が経てば勝手にどこかに移っていくかも知れないが、既に掲示板はボロボロになっていることだろう。
手遅れになった場合の対処において重要なポイントがある。もしテーマについて話すよう誘導するのが難しいのであれば、「雑談メンバーに寄生された状態」と「開店休業状態」とのどちらを選ばなければならない。管理者にとっては苦渋の選択だ。この選択には、その掲示板の存在意義が問われる。これは、掲示板の運営思想の問題でもある。
もし「開店休業状態」になった場合は、無理に活性化を図るよりもさっさと掲示板の変更(あるいは閉鎖)してしまうのがよいと思う。